Tetsu Photography

鉄道とカメラの四方山話

第24回 10mmf2.8

 これは、もう少し注目されてもよいレンズです。

 N社で最初に出たミラーレス、V1のキットレンズに付属した、1NIKKOR10mmf2.8。キットレンズの選択の失敗が、V1があまり売れなかった理由で、ズームレンズを買うためにJ1を買う、という人までいる位でした。コンデジから上がってきた人には、ファインダーの意味も、単焦点の意味も分かりません。結果、V1はキットレンズをズームに変更して、V2へと切り替わっていきました。

 この、最初のキットレンズが、10ミリとのことで、FX換算27ミリ、概ね28ミリと同じ使い方をするのだろう、と思います。しかしレンズ自体は非常に薄く、カメラメーカーO社のボディレンズ程ではありませんが、パンケーキレンズ、テッサー系のレンズであるのが丸わかりで、雰囲気は45mmf2.8に似通ったものがあります。

 別売のオプションも、45mmf2.8を意識したかしていないか、ドーム型のフードに、フード専用ねじ込みキャップが用意され、外観もそのままのものです。イメージサークルの小さいCXフォーマットならではのレンズで、外観はお気に入りです。

 他の1NIKKOR単焦点に比べると明るさは2段近く落ちますが、まだズームより約1~2段明るく、薄暮から夜間にも有効なレンズですが、自動感度が使えるデジカメでは特段大きなメリットでは無く、結果「ズーム出来ない」レンズで、思ったほどのセールスにはなっていないのでしょう。やはりコンデジユーザーには通じないものでしょう。

 ミラーレスでこれを言うべきか疑問ですが、固定焦点の不便さを克服するのが、技術です。ズーミングやクロップで構図を造っている限り、「一発で決める」という技術は身につきません。もし、写真技術の上達を願うならば、やはり固定焦点にチャレンジする必要があると思います。この10ミリがその1本目に相応しいかは疑問ですが、手に取ってみることをお薦めします。

 サイズは、標準の10-30mmf3.5-5.6の半分でもあり、それほど荷物にもなりません。お供に、持ってはどうでしょうか。

 それでは、次回をお楽しみに。