Tetsu Photography

鉄道とカメラの四方山話

第28回 14-24mmf2.8

 これも、究極のレンズでしょう。

 N社純正ズーム「大三元」の一角、14-24mmf2.8。設計では、不可能といわれた非球面レンズを製造するのに成功し、完成したズームです。単焦点14mmでも触れたとおり、MTF比では単焦点を上回る性能を誇り、驚異的な光学性能を実現しています。筐体は決して小さなものではありませんが、明るさからは当然のサイズです。

 鉄道写真家のN氏が、撮影中に、このレンズをカメラに装備して、地上に寝そべってカメラを構え、土手の上を通る列車を撮っている番組を見ました。プロも、広角ズームというとこのレンズを使用する、それほどのレンズになっています。

 比較すると、レンズメーカーS社が出す12-24mmf4は大きいようですが、同じく12-24mmf5.6は明るさなりの小ささで、T社の15-30mmf2.8は胴が太く、K社の16-35mmf2.8は前玉が少々小さく(これはパクり)、純正16-35mmf4は前玉が小さく落ち着いています。16-35mmf4以外は前玉が張り出しフィルター装備は不可能で、せめてバヨネットフィルターの使用出来る余地があれば救いはありましたが、それは純正以外には出来ず、純正でも廃止されつつあるシステムで、間もなく消えようとしています。

 写真は、やはりレンズメーカー製と比べてもシャープで、檻の中の野獣を解き放つ力を持っています。当然ナノクリも装備していることから、当たり前と行ってしまえばそれまでですが。

 FX14ミリを達成し、満足しそうですが、カメラメーカーC社は、単焦点11mmを実現したとのこと。勿論普通の人が買える値段ではありませんが、他社はそこまで到達しています。それを上回れ、とは言いませんが、レンズメーカーでも12ミリは達成しているので、そろそろ、その域のFX用レンズが開発されるべきではないか、と思います。「技術貴族」のN社が、そのまま黙っているのでしょうか。f5.6ででも、達成すべき目標だと思います。

 因みに、昨年創立100周年を迎えたN社が、出した記念製品の一つに、「大三元」セットがあり、ケース付きで100万円でした。その位お金があれば買っていましたが、それは残念でした。その中にも入る、14-24mmf2.8。プロのスタンダードであり、アマチュアの目標です。普段使いのレンズではありませんが、トドメを刺すレンズとして、使いたいと思います。

 それでは、次回をお楽しみに。