Tetsu Photography

鉄道とカメラの四方山話

第37回 F80

 それは、今思うと中途半端なカメラでした。

 デジタル一眼が普及し、結果F6以外の全てのフィルム一眼を生産中止、各カメラ店は在庫処分を行いました。その時在庫があったのは、F100とF80でした。F100は所有し、2台目には値の張る一台であったことから、値段的にも見合い、それまで使用したことが無いF80D(データバック付き)を購入しました。

 一般にデータバックは、電池を入れないと動作しない代物ですが、F80Dはメインの電池を入れてあれば電源があり動作するという優れもので、しかもデータはフィルムの隅と、別にコマとコマの間に露出データを写し込める、高級機に是非欲しい機能を持ち、それはF100等には無く、羨ましいほどです。ただし、それはF100等と同じであればの話ですが。

 F80はエントリーフィルム一眼であったために、絞り及びシャッタースピードが、他のカメラのように1/3段刻みでは無く、1/2段でした。そのため、最初は「?」という数字が出て、少々戸惑うところがありました。確かに、もう少し前のカメラでは、絞りもシャッターも途中はなく、全部1段ずつであったのは事実ですが、それを勘案しても「エントリー機」の一言で片づかない問題だと思います。今のエントリーデジ一でも、おそらくそんなことはしないでしょうから、ちょっとその辺の設計は、今から考えると疑問ではあります。

 やはり、N社は、設計の脇が甘い、とよく言われます。そういった煮詰め方が不十分だからでしょう。それは、注意すべき点だと思います。

 現在、同機は乾燥庫の中で、次回の出番を待っていますが、オークションで手に入れたF100と、新品及びオークションで手に入れたF6があり、それで十分足りるため、使用見込みはありません。しかし、手放しても値段が付かないでしょうから、多分、このままでしょう。技術の記録、ということです。

 それでは、次回をお楽しみに。