Tetsu Photography

鉄道とカメラの四方山話

第77回 58mmf1.2S

 遂に、念願が叶いました。

 かつて、夜景を写すために、サジタルコマフレアを極限まで押さえ込んだ、準標準レンズがありました。その名は、「夜想曲」(ノクターン)から名を取って、「ノクトニッコール」と呼ばれ、精研削非球面レンズを使用した、まさに夜景用レンズでした。勿論その実力は昼間でも遺憾なく発揮されましたが、何せ手がかかることから値が高い。相当の収入があってかつカメラとこのレンズを理解出来る人しか手に出来ない、そういうレンズで、AF化の最中に消えていきました。

 しかしこのレンズは垂涎もので、オークションでも時々出品されますが、値下げしてまで売るものでは無く、平均25万程度で落札されるそうです。中古カメラ店で、保証付きの逸品では、50万の値がつくこともあるらしく、ちょっと簡単には手に入りません。

 そんな最中、30万で出品していた一本が、見てみると15万まで値下げしている。注視していても、なかなか上がらない。そこで応札し、あれよあれよといううちに、値段は元に戻る寸前まで行きましたが、何と落札してしまいました。

 そして、今日、自宅に届きました。

 経年で、隅にはちょっと気になるものがありましたが、それが厭なら50万出すしか無く、必要な決断ではありました。今、手元にあり、余韻に耽っています。

 遂に念願が叶い、これでちょっとコレクション癖を止めても良いかなあとも思いますが、やはり新しい方も気になる、今後に期待です。

 それでは、次回をお楽しみに。