Tetsu Photography

鉄道とカメラの四方山話

第78回 Micro70-180mmf4.5-5.6

 世界初でしたが、現在は生産されていません。

 マイクロ(マクロ)レンズで、ピントが合ったまま倍率が変更出来るというレンズが、かつてありました。何故、それが重要なのでしょうか。

 一般にマクロ写真では、先ず倍率を決めて、そのあとピントが合う位置を、カメラを前後させて探す、というのが通常であり、これはAF化の時代でも変わらず、逆にAFを使うと倍率が変わるので、AFを切ってしまってMFで撮影するほどで、あまりAF化の恩恵を受けていない分野ではありました。

 そこで、設計されたのがこのレンズで、先ずピントを合わせ、その後ズームで倍率を調整する、ということが可能となり、それは世界初で、結果唯一となっています。これをコピーしたマクロレンズも現れませんでした。

 その後、あまり需要が無かったのか、生産中止となり、後継モデルも現れず、そのまま多くの人が忘れてしまったレンズとなりました。

 しかし、この唯一のレンズに興味が沸き、永く手頃なものを探していましたが、今回見合ったものがあり、手に入れました。

 ズームということもあり、明るさが変わってしまい、またどの指標で倍率を表示するのか迷ったらしく、結果一番広角で倍率が表示され、後はズームで見たとおり、ということのようです。

 N社ユーザーで、マクロ撮影をする人には必需品で、垂涎もののようです。商業的には大成功では無かったようですが、今まで無かったレンズ、ズームマクロ、先にも後にもこれだけです。やはり、運命でしょうか。

 それでは、次回をお楽しみに。