Tetsu Photography

鉄道とカメラの四方山話

第62回 Nikon1 V3

 それは、フラッグシップとなるべく設計されたカメラでした。

 V1の経験で、もっとデジ一らしく造られたのは、V2。グリップが出来て、専用設計のバッテリーも装備、小型デジ一のような雰囲気でしたが、少し狙いすぎ、満足いくセールスを得られなかったようです。

 その結果、V3では、「バッテリーの共通化」「EVFの外付け」ということとなり、意見の割れたグリップ部は、取り外し可能な外付けのものとなりました。キットレンズは標準ズーム、Jシリーズとの共通化もかなり考えられたものでした。

 しかしJシリーズは、デフュージョンラインのSシリーズが出来たことからこちらに合わせてしまい、また充電装置が新規設計となったことから、結局新規設計の電池が採用され、「共通化」は実現しませんでした。

 実際にV3を使うと、グリップは便利ですが、電池交換の度にネジを回し取り外す必要があり、また斜めに固定してしまうところがあり、グリップ派の評価は低いようです。外してしまうと操作位置がデジ一と異なることから、扱いづらく、そこは不満です。

 マイクロフォーサーズに勝ったとされる、EOS-Mシリーズの上級グレードは、小型デジ一と形が近く、高級コンデジとも見間違う程の造りです。その点から考えると、V3は、まだまだ改良の余地があると思います。

 ここで、妄想のV4を考えると、V3のグリップが装備された状態が標準となり、操作をデジ一と共通化、デジ一のサブとなるレンズ交換式コンパクトといったところでしょうか。EVF外付けはそのままで、電源スイッチと持ち手が一緒なら、それは操作性の改善にもなります。J5在庫整理の最中で、CXは考えたくないのでしょうが、まだまだ改良の余地はあり、捨てたものではありません。

 V4を出すなら、おそらくJ6も出すことになるでしょうから、退行期にそこまで資源を投入するくらいなら、今後の成長が見込まれるZマウントで、というのも分かり、ほとんど期待出来ませんが、もう少し余裕が出来たら、ということでしょう。

 それでは、次回をお楽しみに。