Tetsu Photography

鉄道とカメラの四方山話

第59回 55mmf3.5 Ai

 これは、過渡期のレンズでした。

 N社のMFレンズは、Fマウント登場時のNikkorから、NewNikkor、AiNikkor、Ai-S Nikkorと発展していきます。露出自動化には、初期にはレンズ開放値をセットする必要があり、通称「富士山」と呼ばれる連動爪で連動させる必要がありましたが、AiによりF3からその必要が無くなり、Ai-Sで操作が統一、完成を迎えます。

 今回手に入れた55mmf3.5は、55mmf2.8Sの原形、操作統一前のAiです。その一つ前の、非Ai55mmf3.5は、PK-3と共に手に入れており、しかし状態があまり良くなかったことから、今回手に入れました。

 f2.8モデルと比べると、前玉が小さく明るさ相応ですが、とても綺麗な一本で、安く手に入れられ運が良かったと思います。しかも箱入り、ビニール袋にはN社のロゴが印刷される乾燥剤が入るなど、前オーナーがほぼ保管用にしていた1本らしく、使用感もなく、惚れてしまいそうです。少し使うのも勿体ない位です。

 Ai-Sではありませんが、連動絞り輪もあり。将来的にはFTZを介しZマウントでも使用可能な1本のようです。しかし、Zシリーズは、何処へ行っても「ダブルスロット」の大合唱で、実際私もデジ一でRAWが書き込み時に喪失した経験もあり、それが数百枚に1回でも、やはり心配は理解出来ます。MkIIをつくるときは、是非ご検討下さい。

 それでは、次回をお楽しみに。