Tetsu Photography

鉄道とカメラの四方山話

第18回 12-24mmf5.6-6.3

 それは、純正でも出来ないレンズです。

 APS-C、すなわちDXフォーマットのFマウントレンズでは、魚眼で無くても10ミリがありますが、フルサイズ、すなわちFXフォーマットでのFマウントレンズは、単焦点もズームも14ミリまでで、それ以上は純正ではありません。そんな状況下で、レンズメーカーS社製のズームレンズには、フィルムの時代から、12-24ミリというズームレンズがありました。明るさは、AFがギリギリ動作するf5.6-6.3で、純正に無いものを求めると、ここに行き着きます。多分、純正の規格では出来ないものなのでしょう。

 フルサイズ12ミリとは、対角線魚眼より焦点距離が短く、後まで写るのでは?とも思いそうですが、そうではない、まだ前だけです。しかし、今まで見たことが無い光景が広がることは、間違いありません。圧倒的に広大な視野を求めるとき、あるいは狭い室内に閉じ込められた巨大なものを撮るのには、代えがたい存在です。常にカメラバッグに入る、一本です。

 現在は、デジ一対応のⅡにモデルが変わり、またその上級グレードのf4のモデルも登場、Ⅱまでは持っていますが、f4は、まだこれからです。多分優等生の写りになっているでしょうが、それと比べれば味もある旧式も、今から手に入れるのは一苦労です。

 レンズの固定が難しいらしく、前玉が何度か落下したこともあり、割れて壊れる一歩手前でしたが、現在は修理も完了し、そのようなこともありません。また、ベストのポケットからコンクリートの床に約1メートル落下し、破損間違いないところが、キャップの変形のみで済み、強運のレンズでもあります。いわば、守り神でもあります。ここまで来て、新モデルが出ても手放すわけがありません。このレンズを見ると、運がつくような気がします。代えがたい1本です。

 それでは、次回をお楽しみに。