Tetsu Photography

鉄道とカメラの四方山話

第14回 85mmf1.4

 それは、私が手に入れた最初の高級レンズです。

 確か、ズームレンズしか持っていなかった頃、最初の単焦点が50mmf1.4で、その次が85mmf1.4であったと記憶します。50mmのDタイプは既に製造が国内では無く中国で、マウントキャップが白いプラスチックであったのを覚えています。

 しかし、85mm、フラッグシップのf1.4は流石に日本製で、マウントキャップも黒のキャップで、マウントに合わせて填めるタイプでした。フィルター径も77mmだったか、特別大きかった気がします。値段も、名目月給が20万円台だった頃に、18万円くらいか、とびっきり高かった記憶があります。

 85mmという焦点距離を聞けば、カメラを分かっている人ならば「あれを撮りたいのか」と分かるレンズで、「ポートレートの標準」と言う人もいます。ただ、85好きは50との相性は悪く、逆に35が次で、すると28を飛ばして24くらいになってきます。上は逆に105は駄目、135くらいが欲しくなってきます。

 実際、50が使えるのが初心者脱出の始まりで、ただ私は85も使うので、上は135は納得いきます。下は、50から始まり、35はあまり使わず、28は大好き、24以下はズーム以外は普段持っていません。F2.8でも、単焦点を何本もでは鞄が重くなるので、頻度の高いものだけ持っています。

 実際85mmは、DもAF-Sも、f1.4及びf1.8の双方を持ち、ラインナップは完璧ですが、普段は重量もあり、f1.8しか持ち歩きません。普段使いであれば、それで十分、フィルム機でスピードが取れないときでも、高倍率ズームより2段以上の明るさがあるので、大いに効果があります。「ここは85」という鉄板のところもあるので、そこでは強いです。

 そういう点では、f1.4は、本当の意味での贅沢品であり、レンズの値段及び重量もあり、撮る相手を選びます。本当に、宝刀です。宝刀を抜きたくなるほどの相手には、まだ1度しか逢ったことが無く、当時は所持していなかったので、撮影は0枚、贅沢を越え道楽です。今後も、罰のように残るのでしょう。

 当時は保存法も悪く、乾燥庫どころか乾燥剤さえも無く、よくカビが生えなかったものだと思います。フィルターが、守り切ってくれました。L1BCには、感謝です。

 それでは、次回をお楽しみに。