Tetsu Photography

鉄道とカメラの四方山話

第9回 18mmf2.8

 それは、史上初のレンズでした。

 18mmというと、多くの人がf4を思い浮かべ、それだけ記憶に残る銘レンズであったことが分かります。これも、間もなく手に入る予定で、MF時代の名作と謳われるべきでしょう。

 今回は、そのAF版となっている、18mmf2.8です。Fマウントとして、史上初の量産型非球面レンズである、ガラスモールド非球面レンズを最初に採用したレンズです。

 それまでは、非球面レンズは精研削非球面レンズのみで、量産にはあまり向かない、高級レンズのみに採用される技術であり、結果それはものすごく高価なものとなっていました。

 それを、普通に買えるレンズに採用するためには、大量生産ができる技術を開発する必要があります。その答えが、熱で柔らかくなったガラスを金型で整形する、ガラスモールド非球面レンズでした。

 結果、それだけの非球面を含むレンズを、普通に手に届くものとした、歴史に残るレンズとなっています。

 しかし、これだけの力作でしたが、カメラ1強の時代に、セールスを記録しないことを理由に、いつのまにかラインナップから消えてしまい、品番廃止時に、慌てて購入したのを覚えています。その後も家電量販店で忘れ去られたように置いてあったのを見たことがありますが、あれをクレジットカードで買っておいて、今オークションで売りさばいたらどの位儲かったのか、惜しい気がします。

 Fマウントも、プロユースを相当取り戻しており、カメラも多極化と言うべきでしょうが、そんな今、当時の設計のままでいいから、復活して欲しいレンズの一つではないかと思います。確かに18mmはズームでもカバーする焦点距離ですが、やはり固定焦点も欲しいです。再検討は、できないのでしょうか。

 それでは、次回をお楽しみに。