Tetsu Photography

鉄道とカメラの四方山話

第38回 50mmf2

 それは、忘れ去られたレンズです。

 最近、オークションで、新たなレンズがやって来ました。そう、50mmf2です。明るさから分かるように、現行には無く、かなり昔のレンズです。逆に出ている数が少なく、選択肢はあまりありません。

 50mmf1.2が無かった時代、f1.4やf1.8が主流、そこにf2もラインナップに入っていました。しかし、f1.2が実現すると、だんだんと廃れ、いつのまにか無くなってしまいました。時期的には、NewNikkorまでが中心、Aiは少数、Ai-sでは無く、この辺りで製造中止となったようです。

 レンズを見ると、外観は普通のレンズと同じ大きさですが、レンズの玉は奥底深く、その気があれば、f1.8より薄いパンケーキレンズに改設計が可能な気がしますが、仮に設計しても商業的に成り立つはか不明で、増してAF化は不可能で、それで伝統が絶えてしまったようです。つまり、45mmf2.8がもっと売れていればAi-P化があったかも知れなかったのですが、AF化に抗っても時代の波は寄せており、それは不可能であったと思われます。しかも、小さなレンズは、所有欲を満たしません。その中でセールスを求めるのは不可能と思われます。

 しかし、引き延ばしレンズ50mmf2.8が、防犯カメラのレンズに丁度よく、生産中止直前に売れたとの話もあり、そういったメリットもあります。また、写真学校の教材のレンズは、技術の巧拙の出るレンズが好適で、その点でもこのレンズはアピールポイントがあるように思います。売れるレンズでは無いですが、「教習用」、どうでしょうか。

 それでは、次回をお楽しみに。