Tetsu Photography

鉄道とカメラの四方山話

第6回 50mm#1

 それは、古くて新しいレンズです。

 かつてMFレンズの時代には、f2から始まり、f1.8、f1.4、f1.2と各種存在した、「標準レンズ」50mm。ドイツで、初期のカメラのレンズとなったときに、50mmというレンズが焦点距離51.6mmであったことに範を取り、現在もその伝統が続いています。

 ズームのような便利さは無いですが、レンズの数も少ないことから、安価で軽量で明るいレンズで、もっと使ってもいいレンズですが、なかなか現場では見かけないレンズです。多分、多くの人が馬鹿にしているのでしょう。

 室内では絶対的なレンズ、また夜間の撮影には重宝するレンズで、使い方は万能、絞れば広角風に、開けば望遠風に写り、撮影技術の基本となるレンズです。しかし筐体の小ささが、所有欲を満たさない。巨艦大砲主義の人は、興味も示さないのでしょう。

 正直、単焦点焦点距離が変更出来ないので、それをカバーする技術が必要です。ズームレンズには無い苦労ですが、それが無いと撮影技術の発展は無く、やはり最初に持つべき単焦点レンズでしょう。

 MF時代にはf1.2まで発展したレンズですが、AF時代にはf1.2はラインナップには入らず(周辺光量の関係か、システム上の理由か?)、f2では商品としての競争力が無く廃止、f1.4とf1.8のみで、それぞれDとAF-Sがラインナップされます。

 実際、f1.4とf1.8のどちらにすべきか、悩ましいですが、勿論f1.4は素晴らしいですが、値段では半分のf1.8でも十分で、ステップアップは不満を感じてからでも良いとは思います。

 なお、デジ一ではAF-SでないとAFが使えない機種もありますが、そうではない、外部駆動の出来るカメラであれば、f1.8Dが、接写等にも使え、MF時代からのお薦めのようです。逆向きにも使用可、拡張性からもお薦めです。

 写真技術を真剣に学ぶ写真学校では、技術の巧拙を計るためフィルムカメラで、AF不可、自動露出では技術が身につかないという理由から禁止、そこで教材として用意させるのは、F3とのことです。そういった目的では、おそらく50mmで技術を計測するでしょうから、それがモロに出る、MFレンズでf2であれば、完璧な感じがします。商品競争力は難しいですが、「教習用レンズ」は、出しにくいでしょうか。

 それでは、次回をお楽しみに。