Tetsu Photography

鉄道とカメラの四方山話

第151回 AF50mmf1.8D

 それは、小さな小さな買い物でした。

 N社のネットショップに、アウトレットで出ていた50mmf1.8D。定価はそこそこした筈でしたが、恐らく在庫整理、お買い得な値段で出ていて、速攻でポチりました。外部駆動の、内蔵モーターが無い、フィルム時代からの設計ですが、実は、これ、もの凄いレンズであることを、ほとんどの人が忘れています。

 元々AF化された当時は、f1.8Sで、つまり距離データに対応していない設計、更にその前は同形MFがあり、その時代からの完成した光学系でした。コンパクトであり、常用が可能、f1.4より値段が安いという時点で有用ですが、これはマクロ撮影をするのにもお手頃なレンズでした。リバースリングで前後を反対にして、更に今は製造していないベローズ(マクロ撮影用の蛇腹式鏡筒、長さが自由に調節できる)を使用すれば、最大実物の4倍まで拡大できるのです。既にベローズは生産中止で中古しかありませんが、リバースリングはまだあり、勿論広角レンズの方が倍率が上がりますが、そういう意味で有用な1本でした(そのため、MFレンズは過度に口径が52ミリに統一され、C社に比べ貧弱に見えたのです)。

 しかし、f1.4が手に入る人へのアピールが弱く、あまり売れなかったのか、Dレンズへの世代交代が遅れ、その結果かなり後からの販売となっています。Dレンズ化してもやはりアピールが弱く、結果同世代のレンズは殆ど在庫払拭となる今、アウトレットで最終処分となっています。その辺、分かっている人が少なく、残念です。

 今でも、在庫があればダイレクトネットショップで出ると思いますので、これはお薦めです。3本目を買おうか、迷うほどです。本当に、小さな小さな傑作です。

 それでは、次回をお楽しみに。