それは、進化です。
300mmのレンズでは、プロはf2.8を持ちますが、そうでは無いアマチュアは、一般にはf4を使用します。f2.8は、重量も値段もプロ級で、おいそれとは買えないものであり、その点f4ならば重量も値段も少し手を伸ばせば手に入るものとなります。
しかし従前は、色収差を打ち消すために凹レンズを組み合わせたりして設計する必要があり、実際製品も如何にも「望遠レンズです」という外観になっていました。その辺を何とか出来ないのかと、使用されたのがPF素子で、これを製品化したことで、フードを外せばスナップ写真にも使えるようなサイズにまで小さくなり、正にブレイクスルーです。今回は、ちょっとその新旧の比較をしてみようと思います。
先ずは旧製品、f4Dから(写真)。やはり本格的な望遠レンズですから、近くのものでは拡大しすぎてしまい、被写体を選びます。下の田んぼの雰囲気から100メートル程度に見えるかもしれませんが、数百メートルは離れています。
続いては現行の、f4Eで(写真)。編成が短い分手前になってしまい、完全な比較にはなっていないのが残念です。しかし、前の写真と比べても100メートルほど手前なだけですが。
この位のサイズでは分かりにくいですが、f4Dでは手前の草の葉っぱはそこそこですが、f4Eではかなりクッキリ写っています。何れもスピード確保のため絞りは開放、被写界深度の差も無い筈ですので、最後はレンズと、その状態の差なのでしょう。
f4Eはスナップ用の300mm、本当に小型軽量の傑作であり、まだFマウントがあるのであれば、手に入れておいた方が良いレンズです。しかし、「望遠レンズです」という外観のf4Dの方が欲しい、という動画もあり、その辺は好みだと思います。「最新鋭で統一する」という発想の方には薦めませんが、折角Fマウントを使用し、経済面が許すのであれば、古いレンズは持っていた方が良いと思います。やはりそれが、Fマウントの特権ですから。
それでは、次回をお楽しみに。