Tetsu Photography

鉄道とカメラの四方山話

第145回 12-24mmf4 DG Art(3)

 それは、歴史の変遷が、感じられます。

 超広角ズームとくれば、12-24mmf4が嚆矢ですが、これは、いきなり完成したものではありません。従前のレンズがあり、その改良版として製造されたものです。デジ一のレンズは今後数を減らすでしょうから、今となっては骨董品から続くものです。

 先ず、その骨董品である、12-24mmf4.5-5.6と、改良版12-24mmf4.5-5.6、そして現行12-24mmf4と比べていきたいと思います。

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 初期バージョンの、24ミリでの撮影(写真)。ほぼ逆光で、青いゴーストが出ています。

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 改良版の、24ミリで(写真)。露出は操作していないので、向きが多少影響しているのか。

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 f4 DG Art、24ミリで(写真)。ゴーストはほぼ抑えられています。

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 初期形、18ミリで(写真)。端の方が、ちょっと気になります。

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 改良型、これも18ミリです(写真)。これも気になるといえば、気になります。

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 f4 DG Artの、18ミリで(写真)。ほぼ逆光で、やはりゴーストは出てしまいます。

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 初期形、12ミリで(写真)。四隅がやや光量不足なのが、分かると思います。

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 改良型、12ミリで(写真)。従前より改善されていますが、周辺にやや回り込みが足らない感じはします。

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 DG Art、12ミリで(写真)。空がやや不均一な感じはしますが、それ以外は周辺光量も確保され、値段相応な仕上がりです。ただ、モロに太陽光線が入っているので、ゴーストは抑えることができません。

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 比較までに、純正魚眼ズーム、対角線の15ミリで(写真)。太陽が入ってもこの位です。

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 円周魚眼、8ミリで(写真)。真横まで写るので、ズームを操作する手まで入ってしまいます。

 S社製単焦点の、対角線魚眼15ミリと、円周魚眼8ミリもありますが、やはり2本になるのが面倒。N社は魚眼ズームで1本に出来るのは、集約でき楽ではあります。

 やはり、技術的発展が、感じられるものです。一般に広角は、周辺光量という問題が生じやすく、初期のフィルム時代はそれでも良かったものが、デジ一用としては煮詰め直す必要があり、現在に至ります。

 今後、フルサイズミラーレスは、ミラー室を廃止した分広角側の設計が自由になることから、現在14ミリ止まりの広角の上限を超えるような設計を期待したいです。C社は、法外な値段となりましたが、デジ一で11ミリを達成したのですから。

 それでは、次回をお楽しみに。