Tetsu Photography

鉄道とカメラの四方山話

第110回 AF-S Fisheye 8-15mm f3.5-4.5E(2)

 それは、実用性の観点からは注目されません。

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 先日、魚眼ズームを手に入れたと書きましたが、魚眼を使うシーンというのはあまりなく、特に鉄道で必要となる可能性は非常に低いものです。実際、肉眼で見るのとは異なる世界が必要なシーンはあまりなく、実用性からは問題があるように思われます。しかし、無ければ撮れないレンズではあります。

 それを、今回使用しました。先ずは比較のための通常の広角、24ミリの風景です(写真)。

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 これは、テレ端である15ミリ、いわゆる「対角線魚眼」の画像です(写真)。視野角は対角線で180°、外側で魚眼の風景を結像しています。そのため、写真全体に写っています。手前の、直線である筈の線路が歪んでおり、これが魚眼レンズの最大の特徴です。f:id:seichiro0:20201206224627j:plain

 続いて、12ミリで(写真)。四隅が写っていませんが、これは180°を超える部分が写っていないためです。

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 続いて、APS-Cサイズ用の指標がある、11ミリで(写真)。これは、APS-Cサイズ用の対角線魚眼となる位置で、このレンズはそれも兼ねています。

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 続いて、10ミリ(写真)。左右が空き、円形の像を結んでいますが、上下が欠けています。

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 そして、ワイド端の、8ミリです(写真)。写真の中央に、円形の画像を結んでいます。これが「円周魚眼」で、上下も、左右も180°、真横まで写っています。少し傾けると、撮影者が写ることもあります。

 このような画像を必要とする写真はあまり多くなく、鉄道ではほぼ皆無、風景等での使用が中心となると思われます。

 なお、MFの時代には、Fisheye6mmというレンズがあり、勿論円周魚眼、キノコ形の巨大なレンズで、前を向いても後方が写ると思われる視野角のレンズです。そこまで来ると、技術者の自己満足に近いものでしょう。

 当然、実用性の低いレンズですので、出る数もあまりなく、現在Fマウントのレンズの整理が続いているため、在庫限りで販売中止という危険性を多いに孕んでいるレンズです。販売が行われている間にしか手に入りませんので、気になる人は、是非この冬に手に入れて欲しいです。

 それでは、次回をお楽しみに。