Tetsu Photography

鉄道とカメラの四方山話

第154回 比較(14mmから135mmまで)

 それは、こんなに違うのかと、驚きました。

 ここのところ、メインブログは休載状態ですが、写真は撮っていて、ただ真新しさが無いため結果的にお休みしています。そんな間に、撮った写真を並べていきたいと思います。

 先ずは、14mmf1.8からです。「超広角」に分類されるこのレンズ、鉄道より風景、星野写真の方が得意そうです。確かに、これはあります。

 続いて、20mmf1.4です。超では無いですが広角で、やはり風景らしい写真となっています。しかし、端の架線まで被写界深度でカバーしています。

 次は準標準、40mmf1.4です。敷地の全景を網羅する、説明的な写真になっています。

 お次は標準、50mmf1.4です。人間が普通に両目を開いた視野角とほぼ同じとされます。普通に眺めた感じです。

 続いて中望遠、85mmf1.4です。少し手元に近づいた、そんな写真になっています。

 少し飛んで、135mmf1.8です。望遠レンズ、向きも調整していますが、こんなにグッとくる感じです。

 参考までに、超望遠域、500mmf5.6に、×1.4テレコンバーターを入れた、合成焦点距離700mmの写真です。被写体は、85mmの写真の左の隅の、小さな一角を寄せたものです。

 ズームレンズではあまり気にしないことですが、実際使ってみると、こんな大きな差が出るものです。

 贅沢品の基準は、「週に1度以上使うかどうか」だそうで、それより頻度の低い贅沢品は多数ありそうですが、しかし無いレンズでは撮ることは出来ず、やはり道楽と言われてもコレクションするしかありません。皆さんも予算の範囲内でやってみてください。

 それでは、次回をお楽しみに。

第153回 85mmf1.4 DG Art

 これも、そこそこの出来映えです。

 先日のツアーでも、少し使った85mmf1.4 DG Art。105mmf1.4程ではないものの口径86ミリの巨大なレンズ、その成果をご覧下さい。

 過去の画像とほぼ同じ、105mmf1.4や135mmf1.8では近すぎる位置になりますが、上質な中望遠としてそこそこの出来と思います。外側のボケはどうでしょうか。

 普段はズームレンズの便利さに負け、かなり多用しますが、こういう固定焦点のレンズを使うと、焦点距離以外の工夫をするようになると思います。しかし、この程度では工夫の必要さえ無いですが。

 それでは、次回をお楽しみに。

第152回 20mmf1.4 DG Art(2)

 確かに、使うチャンスは少なそうです。

 新レンズを導入し、使うチャンスを探しているのですが、なかなか常用レンズの合間を縫うのは難しく、良い場面が見つかりません。そんな中で、今回20mmf1.4を試す機会があったので、掲載します。

 これが、その写真です(写真)。

 正直、情報が多く、何の写真か分からない感じはします。

 同じ位置での、50mmf1.4 DG Artの写真です(写真)。かなり回りが整理され、鉄道写真らしくなってきています。ただ、まだ風景写真のような気もします。

 やはり「鉄道写真」とカテゴリーを決めると、広角や超広角は、使えるチャンスは少ないと感じます。多くの人が望遠系を使うこともあり、その辺はやはり用途で決まってくる感じがします。ただ、持っていないレンズは試すことも出来ず、その辺は分かっています。広角レンズ、どうでしょうか。

 それでは、次回をお楽しみに。

第151回 AF50mmf1.8D

 それは、小さな小さな買い物でした。

 N社のネットショップに、アウトレットで出ていた50mmf1.8D。定価はそこそこした筈でしたが、恐らく在庫整理、お買い得な値段で出ていて、速攻でポチりました。外部駆動の、内蔵モーターが無い、フィルム時代からの設計ですが、実は、これ、もの凄いレンズであることを、ほとんどの人が忘れています。

 元々AF化された当時は、f1.8Sで、つまり距離データに対応していない設計、更にその前は同形MFがあり、その時代からの完成した光学系でした。コンパクトであり、常用が可能、f1.4より値段が安いという時点で有用ですが、これはマクロ撮影をするのにもお手頃なレンズでした。リバースリングで前後を反対にして、更に今は製造していないベローズ(マクロ撮影用の蛇腹式鏡筒、長さが自由に調節できる)を使用すれば、最大実物の4倍まで拡大できるのです。既にベローズは生産中止で中古しかありませんが、リバースリングはまだあり、勿論広角レンズの方が倍率が上がりますが、そういう意味で有用な1本でした(そのため、MFレンズは過度に口径が52ミリに統一され、C社に比べ貧弱に見えたのです)。

 しかし、f1.4が手に入る人へのアピールが弱く、あまり売れなかったのか、Dレンズへの世代交代が遅れ、その結果かなり後からの販売となっています。Dレンズ化してもやはりアピールが弱く、結果同世代のレンズは殆ど在庫払拭となる今、アウトレットで最終処分となっています。その辺、分かっている人が少なく、残念です。

 今でも、在庫があればダイレクトネットショップで出ると思いますので、これはお薦めです。3本目を買おうか、迷うほどです。本当に、小さな小さな傑作です。

 それでは、次回をお楽しみに。

第150回 50mmf1.4 DG Art(2)

 早速、使用しました。

 普通の視野角とほぼ同じとされる、50ミリ。開けば、望遠風に、絞れば、広角風に写るとされ、多くの作例があります。今回は、そんな1枚からです(写真)。高速シャッターであることから絞り開放と思われ、どちらかといえば望遠風に写りそうですが、パンフォーカスで、何となく合っているようです。

 ほぼ同じ場所で、40mmf1.4 DG Artでの1枚(写真)。こちらはやや広角に写っていますが、比較になっているでしょうか。

 微妙なところで違いがある筈ですが、今後35ミリを使っても、多分似たような雰囲気になりそうです。基本使うのは、焦点距離2つおき、とのことで、50ミリに対しては次は28ミリくらいが来て、それで「違うかな?」と言うようです。つまり、35ミリの次は85ミリ、その程度の差は無いと分からない、というのは当たっている気はします。違いをクッキリと説明できない、技術の拙さも感じます。もう少し、という気はします。

 それでは、次回をお楽しみに。

第149回 50mmf1.4 DG Art

 これは、複数持っていても後悔しません。

 大きな買い物を同じ所でしたため、ポイントが万単位で貯まり、そこでその有効活用で買ったのが、中古の50mmf1.4 DG Artでした。勿論ポイントだけでは足らず、少し足しましたが、あまり大きな金額にはならずに手に入れることが出来ました。

 躯体は20mmf1.4と同じ程度、純正50mmf1.4よりは大きいですが、40mmf1.4 DG Artと比べても小さく、Artラインとしてはあまり大きくはありません。50mmでも大きさを自慢したいなら、これはありでしょうが、40mmの方が効果抜群です。やはり40mmという少し珍しい焦点距離であり、設計も後から、今後永く生産するか疑問な点もあり、自慢ならこちらをお薦めします。

 それを抜きにして、標準に拘る人は、やはりこの位に落ち着くのでしょう。絞りの使い方次第でどうとでも使える焦点距離、これは何本持っていても後悔は無いと思います。ただ、状態が悪い個体でも良いのかは、疑問もありますが。いつか、新品で買える日を夢見て使い続けるのでしょうが、DSLRは今後生産も減るでしょうから、一巡するまで残っているか、疑問はあります。あと1年、保つでしょうか。

 それでは、次回をお楽しみに。

第148回 20mmf1.4 DG Art

 これは、スペックの割に小さいです。

 この夏の買い物、3本目は、他と迷いましたが、結局20mmf1.4 DG Artとしました。他も欲しくないと言えば嘘ですが、やはり希少となるであろう方が先と思い、選択しました。

 そして、届いたわけですが、箱からして小さめ、ケースにはストラップが無く、他のDG Artより一回り小さなケースに収まっており、Artラインの構想の初期段階はこのサイズであったのが、だんだん膨らんで、105mmf1.4や14mmf1.8のサイズになっていったのが、分かりました。「あれも入れたい、これも入れたい」という様子が分かる気がします。

 純正の20mmf1.8に対しては長さが増え、一方鏡筒はほぼ同じ太さですが、フード組み込みのボディには、前面に保護フィルターが装備できません。そこが、違いです。比較の写真が出せるか興味ありますが、そちらも請うご期待。

 S社のArtラインは、最初に20,24,35,50が出て、以降他の焦点距離へと拡大したようで、初期のものは、やはりこのサイズのようです。もう新品を買う余力は無いようにも思われますが、どうなったのかは次回以降で。

 それでは、次回をお楽しみに。

第147回 14mmf1.8 DG Art

 これは、思っていたほど大きくはありません。

 Fマウント純正のAF14mmはf2.8で、そこそこのキノコ形レンズです。MFの時代にはいろいろな焦点距離、明るさがあった中、AFではこれだけ、超広角の市場の大きさが分かります。実際、星野写真など一部の用途に限られ、増して鉄道では何の写真か分からなくなってしまうからです。しかも、更に悪いことに、これは単焦点でありながら、後に出た「大三元」14-24mmf2.8に光学性能で負けるという、不名誉な記録もあります。それだけ、大三元は超越的なレンズです。

 これをレンズメーカーS社がArtラインで造るとなると、f1.4は流石に無理と思われるので、f1.8で登場させました。そのため、ズーム並みの巨大なキノコを想像していましたが、届いた実物を見ると、確かに大きいですが、105mmf1.4どころか85mmf1.4程でもなく、常識的な範囲に収まっています。しかし、値段はかなりの逸品です。

 再度書きますが、鉄道写真での活用は難しく、やはり星野写真が思い浮かびますが、それに必要な光学精度があるのか。ただ、専用ドックがあれば、自分でAF等の微調整が出来、自分用にカスタマイズも可能、そこは強みです。まあ、一つの回答という感じはします。

 やはり、純正には無いレンズ、値段は張りますが、代わるものは他に無く、超広角が好きな方には、お薦めします。どうでしょうか。

 それでは、次回をお楽しみに。

第146回 85mmf1.4 DG Art

 これも、巨大です。

 Z40mmf2以降、廉価版も含め暫く玉の購入が止まっていましたが、夏の有り難いものを頂戴したので、次の1本を手に入れることとなりました。丁度昨年の今頃、私の人生で一番高いレンズ、500mmf5.6を手に入れたわけですが、今年は値段は匹敵しませんが、それが複数となっています。

 その最初が、レンズメーカーS社製の、85mmf1.4 DG Artでした。これも、かなり巨大な一本となっています。

 先ずは、口径が、105mmがΦ105mmであったからか、85mmとのことでΦ86mmとなっており、これは純正に対してもかなり大きなものです。躯体も105mmf1.4程ではありませんが巨大で、花形フードも大きく、目立つ一本です。正直、135mmf1.8よりも大きいです。なお、三脚座はありません。

 大きなレンズは「タイタニック」でもあり、「フロイト心理学」と非難されそうですが、それで撮れる画像が、見たい気はします。実写が楽しみです。

 それでは、次回をお楽しみに。

第145回 12-24mmf4 DG Art(3)

 それは、歴史の変遷が、感じられます。

 超広角ズームとくれば、12-24mmf4が嚆矢ですが、これは、いきなり完成したものではありません。従前のレンズがあり、その改良版として製造されたものです。デジ一のレンズは今後数を減らすでしょうから、今となっては骨董品から続くものです。

 先ず、その骨董品である、12-24mmf4.5-5.6と、改良版12-24mmf4.5-5.6、そして現行12-24mmf4と比べていきたいと思います。

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 初期バージョンの、24ミリでの撮影(写真)。ほぼ逆光で、青いゴーストが出ています。

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 改良版の、24ミリで(写真)。露出は操作していないので、向きが多少影響しているのか。

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 f4 DG Art、24ミリで(写真)。ゴーストはほぼ抑えられています。

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 初期形、18ミリで(写真)。端の方が、ちょっと気になります。

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 改良型、これも18ミリです(写真)。これも気になるといえば、気になります。

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 f4 DG Artの、18ミリで(写真)。ほぼ逆光で、やはりゴーストは出てしまいます。

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 初期形、12ミリで(写真)。四隅がやや光量不足なのが、分かると思います。

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 改良型、12ミリで(写真)。従前より改善されていますが、周辺にやや回り込みが足らない感じはします。

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 DG Art、12ミリで(写真)。空がやや不均一な感じはしますが、それ以外は周辺光量も確保され、値段相応な仕上がりです。ただ、モロに太陽光線が入っているので、ゴーストは抑えることができません。

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 比較までに、純正魚眼ズーム、対角線の15ミリで(写真)。太陽が入ってもこの位です。

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 円周魚眼、8ミリで(写真)。真横まで写るので、ズームを操作する手まで入ってしまいます。

 S社製単焦点の、対角線魚眼15ミリと、円周魚眼8ミリもありますが、やはり2本になるのが面倒。N社は魚眼ズームで1本に出来るのは、集約でき楽ではあります。

 やはり、技術的発展が、感じられるものです。一般に広角は、周辺光量という問題が生じやすく、初期のフィルム時代はそれでも良かったものが、デジ一用としては煮詰め直す必要があり、現在に至ります。

 今後、フルサイズミラーレスは、ミラー室を廃止した分広角側の設計が自由になることから、現在14ミリ止まりの広角の上限を超えるような設計を期待したいです。C社は、法外な値段となりましたが、デジ一で11ミリを達成したのですから。

 それでは、次回をお楽しみに。